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JHD&C×H2Oサンタ 座談会-4

今回の座談会では、社会貢献について造詣の深いH2Oサンタの外間さん、森田さんにチャリティの現場で感じること、そして課題について伺いました。

H2Oサンタ

日本の社会貢献団体の持つ課題について

渡辺:
H2Oさんは今、いくつくらいの団体とお付き合いがあるんですか?

外間:
100とちょっとくらいですね。

渡辺:
ということは、ものすごくたくさんの団体の方と直接会って話してみて、100の団体とお付き合いがあるということですよね。

個人的には紹介したいんだけど、百貨店に呼ぶのは厳しいと判断して紹介に至らなかった団体もあるんじゃないかと思うんですが、外間さんが活動の中で感じる難しさってどんなことですか?

JHD&C代表 渡辺

外間:
正直、この活動が立ち上がった時は、お客さまは百貨店にハッピーな気持ちで来ているのに、そこで子どもの貧困問題や被虐待問題を紹介するのはあかんやろな、と考えていたんですよ。

でも今は、虐待や貧困への認識も深まってきていているのを実感します。子ども食堂の方に来ていただいてトークイベントをした際にも多くの方に理解していただいてると実感しています。

「紹介したいけどしない」というのはないんですが、やっぱり百貨店のイベントスペースで紹介するからには、世の中の方が「このような活動をされている人がいるんだ」とか「とても興味深いテーマだな」っていうのがないと難しいです。お客さまが「そうなんだ!」って思うことを探し続ける、そこの葛藤はあります。

あと、これは言っていいのかどうか迷うんですけど、社会貢献団体の方だからって全員が完璧な「いい人」ではないと思うんです。社会に不平不満もあって、文句言いたいこともたくさんあると。

渡辺:
ああ、とてもよく分かります。僕が実感として思うのは、取材を受けると「いい人」に祭り上げられるんですよ。

なので、最近はまず「僕はただの美容師のおじさんです。たまたまヘアドネーションに関わっているだけで、特別いい人だとか、何か特殊な才能があると思わないでほしい」と言うようにしています。

商売の延長で、髪の毛で面白いこと、もしくは恩返し的なことがあるとしたらウィッグだろうってスタートしたのがヘアドネーションで、かわいそうなお子さんに何かすることを前提に始めた活動じゃないよと。

外間:
渡辺さん、子どもを助けたいっていう気持ちから始めたわけじゃないわけですね。

渡辺:
全然違います。髪の毛にフォーカスした結果、アウトプットがたまたまウィッグだったんですよ。

非営利の団体ってまず人手が足りていませんし、ほかの仕事と兼務している人が非常に多いですよね。人手と時間とお金、この3つが、ほとんどのNPOに足りない部分じゃないですか。僕らも全く例外じゃないです。

自分たちが困っていることについて、他の団体の方と意見交換していて気づいたことがあるんですよ。

NPOが対峙しているミッションはみんなにも関わる大事なことだから、みんなで共有すべきで、共有することで理解が広がり、深まってハードルが下がると思うんですね。

ところが、その共有というのが難しいところがあって。例えば自分の子どもをがんで亡くしたお母さんが、がんの子どもの希望になるようなNPOを立ち上げたとします。その人はすごく強い思いでそれをスタートしているので、軽々しく他の人が入ってくるのを拒むようなところがあるなって、結構いろんな人たちから感じたんですよ。

NPOの人たちは困窮していて、でも問題を解決したいと思っているのに、どこかで壁を作っているというか、強い思いがゆえのこだわりの強さというか。

外間:
この活動を始めた当初、NPOの人と企業の人を集めてシンポジウムに参加した時に、ある大学の教授が企業の人に向かって「あなたたち企業の社会貢献でNPOの人とお話ししようと思っても、話は噛み合いませんよ」ってNPOの人たちを前に言ったんです。

強い思いを持って、自分のやりたいように自分の時間を使って行動している人たちに、大きな企業の論理は通じませんっておっしゃいました。僕は最初にそれを肝に銘じて活動を始めたので、いろんな考え方があって当然だろうなって思います。

社会問題解決のために何ができるか

渡辺:
なるほど……理解できます。ある問題を解決しようと思った場合、その問題に真剣に取り組んでいるのはNPOなどの団体、もしくは個人だと思うんですね。社会問題解決の答えは、ほとんどNPOが持ってると思うんです。

NPOは強い思いを持って活動しているので、その理念を薄めたくないし、企業側もどの団体と自分たちがマッチングするかは全くわからないんですね。でも僕の認識として、SDGs、「サスティナブル ディベロップメンツ ゴールズ 17の目標」はビジネスだと思うんですよ。日本に5万件あるNPOには、5万件のビジネスチャンスが埋まっているんです。

結局、コーディネートできる人がいないんですよね。SDGsの問題点はこの1点だと僕は思います。

そういう観点で言うと、H2Oさんは100の団体の「中身」を知ってるんですよ。

この問題解決に、こういう企業が加わったら、新しいビジネスが生まれると同時にこの問題が解決されてハッピーじゃないですか?っていうのが多分SDGsの本質で、そこに唯一足りないのがコーディネーターだと僕は思っているんです。

外間さんたちはずっと同じスタンスで活動されてきていて、数少ないコーディネーター的な立場の人だなって思うんですよ。NPOの活動を1つ1つ理解していないとNPOフェスティバルのようなイベントの運営は難しいと思うんですが、各団体さんと深くお話しして、活動を理解してお付き合いされているからこそできるんですよね。

外間:
例えば福祉の世界では、虐待や貧困の問題はなぜそうなるかの答えがある程度出てる部分があるんです。
医療者としては、子どもが虐待されて病院に来れば治療はできるけれど、その次のステップが分からない。
福祉界ではある程度答えが出ている問題について、医療界では今から議論を始めるところだったり、また逆のケースもあります。

2017年に初めて開催したシンポジウムでは、医療界と福祉界との情報交流のためにシンポジウムを開催して、情報の共有化に取り組んだこともありました。企業とNPOをマッチングするのも同じようなところがあります。

例えば小売店が売れ残りパンの寄付をしようと思っても、どこに寄付したらいいか分からないということがあると思います。

僕たちはNPOさんとのネットワークがあるから、この子ども食堂にお渡ししましょうとか、そう言ったマッチング活動がすんなりできるんです。H2Oの活動を通じて得た経験のおかげかなと思います。

今西:
H2Oさんの他に、こういう活動をしてるところはあるんですか?

外間:
企業ではあまりないと思います。企業の活動ではやはり、寄付することがメインになると思います。
僕たちはH2Oという活動の現場を持っているので生の声を聞けるし、お客さま、つまり世間との窓口があります。それは小売店だからできる強みですね。

世の中に企業がどうあるべきかっていうのを追求した結果、売り場を利用してでもチャリティのコーナーがあるべきだっていうグループの考え方が原点にあると思っています。

今西:
チャリティーガイドのコーナーって、一番いい場所にありますもんね。エスカレーター降りてすぐの開けた場所で、催し会場のそばだからお客さまの通りも多くて。

外間:
はい、改装の時にもシンボリックな取り組みとして発表しましたし、それがお客さまにも伝わったと思います。

僕たちが高校などに出張授業に行って、我々の企業は今こんな取り組みをしていますって伝えたら、高校生にはやっぱり響くんですよ。

以前出前授業で、高校生に、アフリカの元子ども兵の社会復帰を支援している認定NPO法人テラ・ルネッサンスという団体をご紹介したんですね。学生を中心にした京都の団体なんですが、子ども兵って部族間の争いで誘拐されて洗脳されて、兵士として戦闘に駆り出されるんです。
大人になったら、もうトラウマになって社会復帰できないんです。そんな子どもたちが立ち上がれるように職業訓練をしている団体なんですね。

日本の子どもからしたら一見関係ないと思うけれど、「例えばみんなが持っているケータイとか、電気自動車のエンジンのバッテリーに使われる天然資源をめぐってアフリカのコンゴの部族間の争いがあって、こんな子どもたちが銃を持ってるんだよ、自分たちも関係あるでしょう」って言ったら、高校生はすごく反応するんです。

この団体のことを多くの人に知ってもらうにはどんなプランがあるだろうって、授業をするとみんな真剣に考えるんですよ。問題の本質を知ると響くんです。
そういう点でも、チャリティーガイドという場所を持ってるのは強みだなあと思いますね。

CHECK!

認定NPO法人テラ・ルネッサンス
「すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現」を目的に2001年10月に設立された団体。「地雷」「小型武器」「子ども兵」「平和教育」という4つの課題に対して、現場での国際協力と同時に、国内での啓発・提言活動を行うことによって、課題の解決を目指す。
参考リンク:認定NPO法人テラ・ルネッサンス

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