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JHD&C×H2Oサンタ 座談会-3

今回の座談会では、社会貢献について造詣の深いH2Oサンタの外間さん、森田さんにチャリティの現場で感じること、そして課題について伺いました。

H2Oサンタ

H2Oサンタの活動理念。それぞれの思い。

渡辺:
ここ数年SDGsを表明する企業がとても増えていますよね。SDGsというワードが登場する前には、CSRと言って社会貢献する企業が多かったと思うんですけど。

僕は、企業のCSRとSDGsとは全然意味が違うと思うんです。
企業CSRは本業がベースにあって、「企業の社会的な責任」という観点から自分たちの収益をいかに社会に還元していくかっていう考え方なので、企業単体でやるものなんですよね。企業は社会によって収益を得ているので、その一部を還元していくっていう考え方がCSR。

阪急さんの場合、別組織として一般財団法人のH2Oサンタを立ち上げていて、企業単体としてのCSRとは本気度合いが違うと思うんですよね。

外間さん、森田さんはその最前線で活動されていることになりますが、どういったお気持ちで取り組んでらっしゃるんですか。

外間:
うーん……H2Oサンタのパンフレットにも書かれている通りで「地域社会にチャリティーの文化を創造する」という理念に尽きるというか、2012年からやってることも変わらないし、特にSDGsがどうこうっていう意識はないですね。

心の満足を感じたら、やっぱり人間幸せ、ハッピーになるじゃないですか。そういったシーンを作り出すためにいろんな活動をやっているということに尽きると思います。

H2Oサンタのパンフレット

ただ大前提として、企業が母体としてやっていることなので、お客さまに感動の体験、心が豊かになる体験を提供して、企業のファンになってほしいっていう思いはありますね。

めっちゃ個人的なんですけど、僕、自分の会社が世の中に「ええ会社」って思ってほしいと思ってるんです。僕自身は会社のこと好きだし、百貨店にはブランド力はあるけれども「ええ会社」とは思われてないんだろうなっていうのが、この部署に来る前にあったんですよ。

今西:
そうなんですか?

外間:
以前、シカゴマラソンに行った話、しましたっけ?
2005年のことなんですけど、当時スポーツ館にいたんですよ、僕。
ウォーキングやランニングシューズ売り場のバイヤーを担当してまして、あるメーカーさんから「アメリカのマラソン市場を視察してほしい」ってお話があったんです。まだ日本がマラソンブームになる前のことです。

単純に、アメリカに出張に行けるぞ、嬉しい!って思ったんですよ。ただし行くからにはマラソンに参加してねって言われました。

その時に全国のスポーツショップから5店舗くらいのバイヤーがアメリカに行ったんですね。そんな中で「阪急の人、リタイアしたね」って言われるの恥ずかしいじゃないですか。

出張の話を聞いたのが6月30日で、それから3ヶ月くらい練習して、10月9日のシカゴマラソンに参加したんです。ランナーは3万4千人、そのうち日本人は14人くらいしかいませんでした。それまでの僕のマラソンのイメージは、街中を20〜30人のトップランナーがビューって走っていくという程度でしたが、実際に会場に行ったら、トップランナーが走った2時間後くらいに3万4千人が走ってくるから、何だこの世界は!って思うわけですよ。

10月のシカゴは寒いんですね。「ウィンディシティ」って言われるくらい、風が強くて寒い。スタートの時にね、多くの人が上下新品のウィンドウブレーカーで来るんですけど、それをスタート直前に全部路上に脱ぎ捨てるんです。

びっくりして「こんな新品をたった1回着たくらいで捨てるなんて、大量生産大量消費のひどい国や」って思ったんですね。そしたら実は、後でウェアを集めて、ホームレスに寄付するっていう仕組みがあったようなんです。

「自分が勤めている会社がより世の中に必要とされて、より社会の人のためになるようなことができたら」

渡辺:
えっ、そうなんですか!

外間:
僕もそれ、ゴールした後に聞いてね、「うわっ、この人らすごいやん!」って思って。

今西:
そのために新品を着て来るんですね。

外間:
そう。新品とか、新品同様の綺麗なものを着てて。すごいなーと思って鳥肌が立ちました。
それからね、スタート前に僕の前にブラインドランナーの20歳くらいの少女がいて、こんな押し合いへし合いの中を目の不自由な女の子が走れるんかなって思ったんです。

ボランティアの人がロープを持って一緒に走るとはいえ、危険やんって思ってたら、ボランティアの人が「彼女が走るから道を空けて」って言ったとたん、まるでモーセの十戒みたいに、3万4000人のランナーが彼女のために「割れた」んですよ。鳥肌が立ちましたね。

渡辺:
その頃のアメリカって戦争の印象が強いころですよね。その一方で、そういう体験をされたわけですね。

外間:
そうなんです。僕自身もね、下の名前「こうじ」っていうんですけど、走る前に服に「KOJI」って書いておけって言われたんです、みんな応援してくれるからって。
それでガムテープに名前書いて、服に貼って走ったんですよ。

初めてのマラソンだったので、30km超えたくらいから走れなくなって、ほぼ歩きなんですね。60歳や70歳のおじいちゃんおばあちゃんランナーにも抜かれるんですけど、「KOJI,Fight!」ってみんな言ってくれる。町の人も「KOJI,Fight!」って言ってくれる。

人生で初めて、赤の他人に頑張れと言われて、こんなにも頑張れるんだっていうのを感じたんです。

それまではリタイアした時の言い訳どうしようかな、会社に帰って恥ずかしいなと思ってたんだけど、「KOJI,Fight!」って言われて頑張れた。自分の人生で子どもが産まれた次くらいに感動して、ゴールした時には号泣でした。

その時、パッと会場を見たら、ある銀行の名前が書いてあったんです。銀行がお金を出して、その大会を運営していることが分かりました。ああ、こんな会社ええなあって思って、ふと自分の会社のことを考えた時に、ええ会社って思われてるかなあと思ったんですよ。

この体験を通じて、自分が勤めている会社がより世の中に必要とされて、より社会の人のためになるようなことができたらいいなって思いました。自分の会社をいい会社だと思ってほしい、それがイコール社会のためにもなってほしいと、僕個人的にはそんな思いでやってますね。

もちろん、中途半端な気持ちで活動すると相手に伝わってしまいますから、僕らは必ず団体の方へ自分で会いに行って代表の人からも話を聞きますし、「この方たちは信頼できるなあ」と思ったところしか紹介していません。

よりたくさんの「ええことしてるけど知られていない団体」がもっと有名になって、募金や寄付金が集まるようなお手伝いができたら嬉しいなあと思っています。

渡辺:
森田さんはいかがですか?こちらの部署に来た5年間で、森田さんご自身が大きく変わったみたいなことはありますか。

「一緒に楽しみながら支援させていただいています」

森田:
先ほど自己紹介でもお話ししたように、阪神で組合の仕事をやってましたけど、組合も「何やってるかよく分からない」って言われるんですよ。でも、組合員とその家族のためにどうするのがいいかとか、働いている皆さんがどうやったら幸せになるかみたいなことばっかり考えて20年間やってきたから、その「誰のために」がちょっと変わっただけのような感覚でいます。

いろんな団体さんの思いとか取り組みとかを見させていただくこともすごく楽しいですし、一緒に楽しみながら支援させていただいてる感じですね。

そもそも入った時からもう「10年くらいここにおるんやろ?」みたいなことをずっと言われていて、いやまだ1年目ですって答えるような感じでしたので(笑)
私としてはそんなに違和感なく働かせていただいてますね。

渡辺:
お2人のお話を伺ってて、企業とか団体とか、阪急って言っても1人の人間の集まりで、本気の1人がいれば組織ってこんなにも変わるんだなって改めて思いました。もちろん、いろんな人の協力があってこそですね。

CHECK!

SDGs
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。17の目標は以下の通り。
  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. 全ての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤を作ろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任 つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう
参考リンク:外務省ホームページ「SDGsとは?」
SDGsポスター 国際連合広報センターより
CSR
企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)のこと。企業活動において、社会的公正や環境などへの配慮を組み込み、従業員、投資家、地域社会などの利害関係者に対して責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことを求める考え方。
参考リンク:厚生労働省ホームページ
シカゴマラソン
バンク・オブ・アメリカが運営するマラソン大会。毎年10月の第二日曜日、アメリカイリノイ州シカゴで開催される。第1回は1977年。世界の100を超える国々から4万人以上のランナーが参加する。
参考リンク:シカゴマラソン公式サイト
ブラインドランナー
視覚に障害のあるマラソンランナーのこと。伴走者は障害者ランナーと一緒に走り、視覚障害者の目となり方向を伝えたり、障害物を避けたりする役割がある。
参考リンク:特定非営利活動法人日本ブラインドマラソン協会

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