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JHD&C×H2Oサンタ 座談会-5

今回の座談会では、社会貢献について造詣の深いH2Oサンタの外間さん、森田さんにチャリティの現場で感じること、そして課題について伺いました。

H2Oサンタ

問題解決のためにできること、今後について

渡辺:
では、最後の質問です。
NPOは何かしらの問題解決のために存在してきて、強い思いを持ってやってらっしゃる人が確かに多いと思います。

僕自身はそんなに強い思いはない方だと思うんですけど、でもJHD&Cのような活動がずっと続いていくっていうのは、世の中的には良くなってないよね、っていう自己矛盾がどうしてもあるんです。

H2Oさんは活動そのものが「社会問題をみなさんに知ってもらう」ことなので途切れない方がいいと思うんですけど、さっきのテラ・ルネッサンスさんにしても子ども食堂にしても、なんで民間の人たちが手弁当でやらないとあかんような社会なんですかっていうことだと思うんですよ。

コロナの初期の時にね、政府がまず「自助」って言ってたんですが、そうじゃなくてまず「公助」がないとダメじゃないかと思うんです。

公助からこぼれ落ちてしまっているから必死で民間がやってる、みたいなことがNPOの活動なんですね。

外間:
ある子ども食堂の話なんですけど、お姉ちゃんと弟のきょうだいが2人、来たんですね。帰り際に「パンを2つ、好きなのを選んでいいよ」って言ったら、すごく悩むので話を聞いてみたら、こんなに美味しそうなパンをどれでも選んでいいって言われたことがないと。弟くんは選べなくて、お姉ちゃんに託してるんですね。そしたら、お姉ちゃんもずーっとどれがいいかなって悩んでる。そういう状況が実は身近なところにたくさんあるのに社会全体としては可視化されにくいんです。

渡辺:
公助が行き届いていないから、子ども食堂を運営する人がいたり、ヘアドネーションが求められたりしているんですよね。困っている人たち、そこにある貧困や差別がまるで無いかのように見えなくなってしまっているんです。

ウィッグを着用していれば問題がパッシングされていて、一見は誰も何も困ってるように見えないんです。そもそもなぜヘアドネーションやウィッグが必要とされているのかという、本質的なことに気づいてほしいですし、考えてほしいと思っているんです。

髪がないことで学校でいじめられるんじゃないかっていう心配があるからウィッグが必要とされているわけです。僕が禿げていて外を歩いていても誰も見向きもしないんですけど、女性に髪の毛がなかったらみんなが振り返ってジロジロ見たりするっていう、ジェンダーにも絡むような決めつけや、「髪は女の命」みたいな言説が子どもたちを苦しめていたり、子どもに限らず成人の女性もそれによって苦しめられているんですね。

コロナを経て、そろそろ世の中の流れとして、いろんなものに問題意識を持つようになってきていますし、気づいたからにはダンマリではいけないなと思います。

ウィッグを使ってもいいんです、基本的人権で保障された自己表現ですから。

でも夏の暑い盛り、ウィッグはすごくしんどいんですね。ただいまって靴を脱ぐより先にウィッグを放り投げるくらい、しんどいわけです。

どうしてそんなにしんどいのにウィッグをつけなきゃいけないのか?っていうことを考えるべきポイントに、JHD&Cも来ているように感じます。

「徐々にステップアップして理想に近づけたら」

外間:
ウィッグが必要ない世界になって、自分の選択としてウィッグを選べることがゴールなんだけれど、まだまだ、多分95%の人はそう思ってない気がしますね。
でもそれはそれで、進化の途中ステップとしてありだと思います。

渡辺直美さんのオリンピックの演出が問題視されたように、パリコレのモデルの規制がかかったように、今は世の中全体として、人の見た目に対して他人が触れるな、ということがまず大前提にあります。多分、機が熟しかけているタイミングなんでしょうね。

渡辺:
いずれにしても選択肢でしょうね。女の子だからって特別髪の毛が長い必要はないですし、ウィッグもつけたい人はつけたらいいじゃないですか、服を選ぶのとまったく同じなので。

誤解のないように言うと、ウィッグは絶対なくならないと思ってますし、当事者の方からもそれは言われます。

『あれだけの人毛の素晴らしいウィッグの無償提供は、これは絶対続けてもらいたいと思ってます。ただちょっとイラッとくるのは、髪の毛を寄付「してあげた」みたいな意識が垣間見える時です』と。ほとんどのドナーさんにそんな意識はないことは、当事者も僕たちも、もちろん分かっているんです。

僕の知人は「なにか少しでも善いことをしたときに、“してあげた”という気持ちや“感謝されたい”という承認欲求みたいなものが無いかと言うと、ばっちりあります」と率直に言っていましたし、実際、多かれ少なかれ人ってそういうものだと思うんです。

髪の毛、つまり見た目の課題ですね。「なぜウィッグが必要なの?」「誰がそういう社会にしているの?」というところまで考えていくと、問題が他人事から自分事になりますから「善いことをしてあげた」という気持ちだけで終わらないはずなんです。

活動開始から10年くらい、「ウィッグを提供してそれでおしまい、ということではないんですよ」ということも含めてヘアドネーションの周知に努めてきました。

次の10年は、もう一歩踏み込んで想像力を働かせて考えてほしい、という働きかけをするのが、JHD&Cの役割なんだろうなと思っています。

外間:
本当に理想だけど、そうなれば世界中にある人種問題とかもなくなるわけで、それがいまだになくなっていないので、取り組み続けることが大切ですね。

実現するには果てしなくハードルは高いけれども、でも何もしないよりも変わってきている事実は絶対あると思います。
情報が拡散しやすくなったとか、まさに僕たちのように百貨店で課題解決のために取り組むことが当たり前になったので、格段にステップアップしてますよね。

H2Oの活動の中で一番効果的なのは、コロナで今はできないですが、土曜日の午後に阪急うめだ本店の9階祝祭広場の階段の下で行っていたインタビューイベントだと思うんですよね。さっきもお話ししましたが、あれはまさに、特に興味をお持ちでない方々に対して「こんな社会課題があって、こんな方々が解決に取り組んでいますよ」っていうのを生の声で伝えられるんです。

その場にいて偶然聞いた100人のうち、話し終わる頃には10人20人が「ああそんな課題があったんだ」って気づいて帰っていかれるので、そこが一番効果的だなあって思いますね。問題を知ったうえでそれでも無反応な人って、そんなにいないと思うんですよ。

知らないから怖がったり拒否反応を示すわけで、耳に入ったら大体の人は心が動くというか。今の渡辺さんの話でも、ずっと言い続けてたらいつか伝わるだろうし、ハードルは高いけれどそこが正解だなって思います。

渡辺「無関心との戦い」外間さん「言い続けていたらいつか伝わる」

渡辺:
無関心との戦いですよね。
自己満足を超えたところで寄り添うってなかなか難しくて、正解や答えがない。どういうことで困っているかとか、どんなふうにしたらいいかとか、子どもたちとの交流の中である程度は理解していますけど、そこにあんまり寄せすぎて当事者の目線だけになるとしらけちゃうというか……なかなか両立は難しいですね。

さきほどの公助の話題のときに出た子ども食堂もそうですけど、話題にならないと可視化されない。ではどうやって話題にするのか、というところの難しさがあります。

外間:
注目のきっかけはなんでもいいんですよね。百貨店らしい催しとしてのNPOフェスティバルや、音が鳴る募金箱を面白がって人が集まってくれるんだったら、それをきっかけにクイズなどで課題への理解を深めてもらったり。
まずは知るところから変わっていくんだ、ということを現場で見てたらやっぱり実感しています。そういった活動の連続かなぁと思いますね。

渡辺:
ぜひ、これからも地域社会にチャリティの文化を広めるためによろしくお願いいたします。
今日はお忙しい中貴重なお話をたくさん聞かせていただいて、ありがとうございました!

(左から)JHD&C今西、H2Oサンタの外間さん、森田さん、JHD&C渡辺)

CHECK!

渡辺直美さんのオリンピックの演出
2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックで開閉会式の演出を担当する演出統括者が、出演予定だったタレント・渡辺直美氏の容姿を侮辱するような演出を提案していた。世間の批判を受け、演出統括者は自らの不適切な表現の責任をとるかたちで辞任することとなった。
パリコレのモデルの規制
2017年5月、フランス国内で活動するモデルに対し、体格指数(BMI、身長と体重から算出される肥満度を測るための指標)が基準値未満ではなく、全体的に健康であることを証明する医師の診断書の提出を義務付ける法律が施行した。痩せ過ぎのリスクに特にさらされているモデルたちの健康を守ることのみならず、達成できない美の観念の奨励を阻止し、若い世代の拒食症を防ぐ狙いがある。同様の規制はスペインやイスラエル、イタリアでも実施されている。
参考リンク:AFPBBNews「痩せ過ぎモデルを規制する法施行 フランス」2017年5月7日配信

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