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JHD&C×和歌山刑務所×和歌山市社会福祉協議会
白百合美容室 座談会-5

和歌山刑務所の受刑者によるボランティア参加と、
JHD&Cのヘアドネーションが、どのようにつながったのか?
それぞれの思いを座談会にて語りました。

和歌山刑務所×和歌山市社会福祉協議会

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出所後の支援とサポート~再犯防止へのアプローチ~

渡辺:
今の更生保護施設って、何か事情があって自分の家に帰ることができない人たちを何とかバックアップするような施設だという認識なのですが、今の世の中だと、普通の人にもそれが必要なんじゃないかと思います。一度しくじったらもうチャンスが与えられないような雰囲気を感じることも多いんですよ。

一生懸命に働いて、なんとか食い繋いできたのに急に雇い止めになって、明日のご飯もないような人を、いったい誰が受け入れてくれるんだろうかとか。

「心を変えるきっかけの1つになれば」

福田:
確かにおっしゃる通り「取りこぼしのない社会」って今、すごく大事だと思うんです。
受刑者の場合は、出所して社会に受け入れてもらうことで再犯防止をはかるのが究極の目標になってくるんですけど、「被害者」がいらっしゃる。だから、普通のボランティアとか、社会復帰を容易(たやす)くするというのとは意味が違う。

いかなる理由であっても、罪を犯してはだめなんです。被害者の方がいるのに加害者を先に支援していいのかという議論があります。だけども、我々は矯正の立場だから、更生させたうえでもう二度と同じ過ちをさせない、ということが前提にあって今般の社会貢献作業や矯正処遇をさせてもらっているんです。

髪の選別作業に携わるからといって罪が償えるかというと、それはまた全然違う話なんです。けれども、和歌山刑務所に来て今まで自分が生きてきて全然触れ合うことがなかった感情、人との触れ合いや作業を通じて、自分の犯した過ちに気づく人っているんですよ。和歌山刑務所まで来て、本当に悔い改めて罪を認めて更生していく人たちと、この地域や作業が合致すればいいのかなと思っています。

被害者の方から見たら、じゃあそれをしたからって許されるのかっていうと、決して許されない。それはもう間違いないんです。だけども、そうして心構えを変えた人たちに対しては支援してほしいという思いはあります。その意味で、今まで和歌山刑務所では取り組んでいない髪の仕分け作業を通じて、子どもさんのためになってるというところを感じて欲しいと思います。特にここは女性の施設だから、心を変えるきっかけの1つになればいいなと思うんですね。すごく難しい部分なんですが。

三木:
実は、82歳の私の叔母がここで看守をしていたんです。
叔母と一緒に買い物に行きますと、よく「先生」って声をかけられるんです。それで、「おばちゃん、今の誰?」って聞いたら、入ってた人やって。

「ありがとうございます、今は働いてちゃんとやってます」という会話を何回か聞いたことがあって、そんな時に叔母は「和歌山刑務所の中にいたら子どものことを思って涙する人もおる。もちろん悪いことしたのは絶対あかんことやけど、好き好んでやってしまったんじゃない人もいるんや、今の人もそうや。一生懸命やってるの見たらやっぱり嬉しい」と話していました。

でも、もし自分の家族に危害が加えられたら、きっと許せないだろうなっていう気持ちもあります。その時にならないとわからないと思いますが……。

福田:
環境ってすごく大事なんですよね。こういうところに来る人って、コミュニケーションの仕方を生まれた時から教えてもらえなかった、そういう環境じゃなかったっていう人が多いんですね。そうすると支援の仕方がすごく難しい。

その中で砂山さんみたいに現場で工場担当をやっていたら、いろんな葛藤とか衝突とか、そういうのってたくさんあるんですよ。それでもやっぱりね、職員が一生懸命働きかけたり聞いてあげたり、時には厳しい言葉をかけたりすることが、立ち直るきっかけのひとつになっているのかな、だからこそ和歌山刑務所を出た時に、あの時はお世話になりましたって言葉になるのかなと思います。

和歌山刑務所

今、和歌山刑務所も福祉というところを重点的に考えています。就労したいという人がいたら、就労担当者が履歴書の書き方から教えます。帰るところがないという人がいれば、福祉専門官という社会福祉士が福祉施設への橋渡しをしたり、教育が必要な人には教育の専門官がプログラムを教えたりと、1人の人に多くの人が携わって、今までその人になかったことを身につけられるように支援をして社会に帰していくというのが、今我々がやってることなのかなと思います。

地域連携事業などで外部の方にもお助けいただいて、和歌山刑務所の場合は介護福祉士さんやカウンセラーの方、臨床心理士の先生もいらっしゃって、本当に根が深い悩みをもった人の話を聞いていただいたりもしているんです。

白百合美容室

ここで美容に従事しているのは、美容の免許を持っている受刑者で行状の良い人を選んでいますが、塀の中に比べると半解放な環境だし、外部からのお客さんも来るんですね。そういう中で美容の作業ができていることに加えて、ボランティア精神が養えるようなタオル帽子製作やヘアドネーションの仕分け作業をすることで、同じ受刑期間を過ごしていても何かが変わってくるのかなと思うんです。

今回「集合訓練」と言う形で、全国の女子和歌山刑務所から募集をかけて集まった人がいるんですが、和歌山刑務所に来る前の施設で所内の生活を真面目に努めて、出所に備えて美容師免許を取った人もいれば、和歌山刑務所に入所する前に、美容の免許を取った人もいます。

砂山:
第1回なんです、集合訓練。今回が初めて。

福田:
その人たちにタオル帽子製作や髪の仕分け作業をしてもらいます。これは、既存の施設とは違う和歌山ならではの取り組みです。

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